10月15日から日本公開されるティモシー・シャラメ主演の超大作『DUNE/デューン 砂の惑星』。これは未来が視える能力を持ち、運命によって銀河系間の権力闘争に巻きこまれる青年ポール・アトレイデスの物語です。
過酷な砂の惑星アラキスへの移住を機にアトレイデス家と宇宙支配を狙う宿敵ハルコンネン家の壮絶な戦いが勃発。父を殺されたポールは、復讐そして全宇宙の平和のために立ち上がります。
宇宙を舞台にした壮大な物語は、1965年のフランク・ハーバード著の小説に基づくもの。原作小説は20世紀において最も大きな影響力を持つ小説のひとつで、歴代最高とうたわれる多くの映画にインスピレーションを与えたと言われています。そんな超大作で主人公ポールを演じたティモシーが米『DEADLINE』に出演までのいきさつなどを語りました。
ヴィルヌーヴ監督が決まった直後にグーグルアラートを設定
「ティモシー・シャラメしか主人公役候補はいなかった」と語ったドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。一方、ティモシーはヴィルヌーヴ監督がプロジェクトに参加することを知るや、最新情報を得るためグーグルアラートをセットしたそう。
それから原作本を手に入れたそうで。小説のファンというわけではなかった様子。「正直なところ、その時、『DUNE』について知っていたのは、10歳ぐらいの時に遊戯王カードを買いに行ったミッドタウン・コミックスでみたグラフィックノベルから得たものだった」と語ったティモシーは、ヴィルヌーヴ監督の作品に出演したいという思いが強かったもよう。以前、イベントでヴィルヌーヴ監督を見かけた時、自ら話しかけ、自分をアピールしたのだとか。とはいえ、「その時は一緒に仕事ができるチャンスがもらえるとは思えなかった」。
しかし、今回は、原作を半分ぐらい読んだところで、ロンドンにいたティモシーにヴィルヌーヴ監督から、カンヌ国際映画祭で審査員を務めるので、その間にカンヌに来れないか?という連絡が入り、大急ぎで原作の残りを読みミーティングに臨んだと語りました。
原作の影響力は僕ら世代の『ハリー・ポッター』に通じる
数カ月後にティモシーの出演が発表され、以来、緊張の日々だったというティモシー。「なぜなら、原作のファン、デヴィッド・リンチ版映画やコンピューターゲームのファンがいて、すべてが愛と強い感情にあふれているんだ」と、ファンの期待と注目をひしひしと感じていた様子。
さらに「今のポップカルチャー、映画、書籍の多くが『DUNE』やそこに書かれた哲学から派生している。原作と別次元のつながりを感じている人が多いことを知って驚いた」「それは僕ら世代が『ハリー・ポッター』と共に育ったことと比べるとよくわかる」とも。
「実際に腰を据えて読んでみると、『DUNE』は“読みづらい”わけじゃないけれど、簡単に読めるようには作られていないところがクールだよね」と、原作のスケールにも魅力を感じた様子です。
プレミア上映にたどり着いただけで「フーッ」という感じ
「これまで出演したすべての映画において演じたキャラクターは自分の肉体の一部だと思っている」というティモシー。『DUNE/デューン 砂の惑星』も同じではあるものの、ベネチア国際映画祭でのお披露目を前に「撮影期間の長さ、ポール・アトレイデスが歩んだ道のり、そして多くの人々が原作、オリジナルフィルムに大きな愛とほとんど聖書的な繫がりを感じていることを考えると、このゴールにたどりついただけでもフーッという感じ」とコメント。やはり感慨ひとしおだったようです。