2016年、アメリカニュース放送局「FOXニュース」で起きた、CEOロジャー・エイルズによるセクハラ騒動を描いた映画『スキャンダル』。FOXニュースのベテランキャスター、グレッチェン・カールソンを演じたニコール・キッドマンの場面写真が公開されました。
ニコールはこの作品に出演を決めた際、「オファーが来たのは『ビッグ・リトル・ライズ』シーズン2の撮影現場だったの。で、メリル(・ストリープ)に相談したら、“ぜひともやるべき”と言われて。彼女のアドバイスに従って良かったと、心から思ってる」と、その経緯を明かしています。
ニコールが演じたのは、スタンフォード大学を優等で卒業し、ミス・アメリカにも輝いた経歴を持つ才色兼備のグレッチェン・カールソン。FOXニュースの人気キャスターとして長年活躍するものの、2016年にCEOのロジャー・エイルズをセクハラで提訴。FOX側との和解における秘密保持条項のために、過去の詳細について話したりすることを禁じられているため、ニコールはグレッチェンを演じるにあたり、本人から話を聞く機会はなかったそうです。
そのためニコールは、グレッチェンの過去のポッドキャストやインタビューを徹底的にリサーチし、その独特のアクセントやリズム、手の動かし方なども追及したといいます。また、セクシャルハラスメントという題材については「もはや女性だけが被害者ではなくなっていると思う。男性も権力の乱用や虐待に遭った人がいる。なによりも大事なのは、みんなにとって安全な環境を作ることだと思う」と語っています。
TV業界の帝王と呼ばれたCEOを告発し、セクハラについて堂々と声をあげたグレッチェン・カールソン。その強さの裏にある繊細な感情を引き出すニコール・キッドマンの表情に注目を。
『スキャンダル』
2020年2月21日(金)TOHO シネマズ 日比谷他全国ロードショー
配給:ギャガ
© Lions Gate Entertainment Inc.