11月5日、『ターミネーター』シリーズ最新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』の記者会見が行われ、アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン、ガブリエル・ルナ、マッケンジー・デイヴィス、ナタリア・レイエスが登壇しました。
『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、伝説的キャストであるアーノルドとリンダの最強タッグ、そしてジェームズ・キャメロンが製作に復帰したことで全世界から注目を集める話題作。アーノルドとリンダは1984年の第1作『ターミネーター』以来、30年以上にわたり友情を培ってきたのだそう。そんなアーノルドについてリンダは「この間、彼が家族を持ち、州知事になり、気候温暖化に反対するキャンペーンを行うのを見てきました。彼はチェスの名人でもあります。とても尊敬できる人です」とコメント。
一方、アーノルドは「リンダは『ターミネーター』で、女性のアクションヒーロー、そのとても高い基準を作り、1991年の2作目でその高い水準をさらに高めた。アクションに関して、彼女の見せた迫力と説得力のあるアクションは他にない」とアクションスター、リンダへのリスペクトを表明。「でも、今作で『ターミネーター2』で見せたスゴさを見せられるのかどうかチャレンジだと思った。しかし、圧倒された。60代にかかわらず、前の水準を超えて普通ではない動きをみせた、筋肉をつけ、軍事的なトレーニングもすべて行い、準備を整えて、素晴らしいものを見せたんだ」とリンダを絶賛。
3人の新キャストがアクションシーンを語る
この作品には、新たな敵として登場する最強最新型ターミネーターREV-9役のガブリエル・ルナ、REV-9に立ち向かう謎の女性グレース役のマッケンジー・デイヴィス、そしてターミネーターの登場により平穏な暮らしが覆されてしまう女性ダニー・ラモスを演じたナタリア・レイエスが新たにキャストとして加わりました。
ガブリエルは「この作品に出演できたのは一生の夢が叶ったという気持ち。アーノルドとリンダの友情を見ることができ、ふたりの仕事ぶりから学ぶことは多かったです。最も思い出深いのは、サラ・コナーとT-800が私に向かって撃ちまくるシーン。これは自分のキャリアのなかで最も素晴らしいシーンだと思います。彼らはヘリコプターに向かって撃っている設定で、自分は映っていないのですが、おもちゃ箱のなかにアクションフィギュアとして存在してきた2人が自分に向かってくるのを見るのはスゴい経験でした」と振り返りました。
マッケンジーは「この作品が私にとって初めてのアクション映画で、アクションも普通のアクション映画より多いと聞きました。思い出に残っているのは、南スペインのハイウェイでトラックに乗っている私たちをREV-9が追ってきて、サラ・コナーが登場するシーンです。REV-9の顔に銃を撃ち込む姿が本当に自然ですごかった。サラ・コナーの強い、戦い続ける女性像にずっと感銘を受けていたんです」とサラ・コナーを生で見た感動をシェア。
ナタリアは「1カ月半ぐらい、リンダとブタペストで水中のシーンを夜6時から朝6時まで夜間に撮影したんです。12時間ずっと水中にいて、すごくハードで私は死ぬかと思いました。もちろん死ななかったんですけど……。私はヘロヘロなのに、リンダは「さあ、いくわよ!」という感じで、とても元気で、みんなにインスピレーションを与えていて、本当に素晴らしかった」と、リンダのスタミナに感嘆した様子。
とはいえ、リンダもこの水中での撮影はキツかったそう。「水中のシーンが始まって1週間ぐらい経った時、ふたりとも耳の炎症を起こしてしまった。というのも、その水には300人ぐらいのクルーも入っていて、そういう水に毎日浸かっていたから」と、耳の不調に悩まされていたことを告白。「しかも、それが終わってようやく水から出られたと思ったら、次は逆さづりにされるシーンだった。でも耳の調子がよくないので、バランスが上手くとれなくて。人生最大のアクションシーンなのに、吐き気はするし、めまいはするしで忘れられないものになったわ」と、撮影での苦労を語りました。
そんなリンダにとって、最も難しかったシーンは実はアクションシーンではなかったそう。「アイル・ビー・バックというシーンよ。あの台詞は35年もの間、私の頭の中でアーノルドの声で響き渡っていたの。だから、何度も繰り返して、そのたびに監督のティムにどう?と聞くんだけど、“ダメ。アーノルドみたいだった”と言われてしまった」と打ち明けていました。
ターミネーターではなくカイル・リースを演じたかった
『ターミネーター』から35年、6作目となったシリーズですが、アーノルドは誰もこんなに続くとは思わなかったと回顧。「最初の『ターミネーター』は、小規模なB級アクション映画だった。スタジオ側は製作するのを恥ずかしいと思っていたかもしれない。しかし、編集段階になると、スタジオ、批評家は圧倒された。公開されると、人気が高まり、1990年にジェームズ・キャメロンは第2作を作ることに決めたんだ。だから、シリーズ化されるとは誰も思わなかったし、私自身も4作目は州知事をやってたので参加していないんだ」と、当時を振り返りました。
さらに「自分のキャリアも、このシリーズの影響を受けている。1作目の時は、主演が張れるアクション俳優になろうとしているところだった。素晴らしいシリーズに関わることができて、とても感謝している。特にジェームズ・キャメロンは、私を信頼してくれて、ターミネーターを演じるよう説得してくれた。当時、自分はターミネーター役には興味がなく、カイル・リースを演じたかった。でもジム・キャメロンの説得でターミネーターをやることになった。それも彼の素晴らしいビジョンのおかげなんだ」と振り返り、「私としてはターミネーターを演じるのはこれが最後だと思っている。もちろん観客の人々がどう思うかはわからないけどね」と、観客からの要望があれば再び戻ってくる可能性を示唆していました。
『ターミネーター:ニュー・フェイト』
11月8日(金)全国ロードショー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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