孤独だが心優しかった男が<悪のカリスマ>に変貌していく衝撃のドラマ描くサスペンス・エンターテイメント『ジョーカー』が第76回ベネチア国際映画祭でコンペティション部門の最高賞となる<金獅子賞>を受賞しました。
授賞式では、トッド・フィリップス監督が「ホアキン・フェニックス抜きでこの映画はありえませんでした」と主人公アーサー=ジョーカーを演じたホアキン・フェニックスへの敬意を表すと会場からは、同意した観客から盛大な拍手が巻き起こりました。「ホアキンは、僕が知っている中で最も凶暴で、最も勇敢で、最も心の広いライオンです。そして、美しい心の持ち主です。“狂気の才能”とともに私のことを信頼してくれてありがとう」と金獅子賞にちなんでフィリップス監督がユーモアを交えて感謝を述べました。
これに、ホアキンは「Grazie. Grazie mille.(イタリア語で:ありがとう。本当にありがとう)」と返し、監督とホアキンが二人三脚で挑んだ作品で築いた信頼関係が垣間見える一幕も。監督だけでなく、審査員の一人であるカナダの映画監督メアリー・ハロンは「フェニックスの素晴らしい演技に非常に感銘を受けました。映画祭のルールが無ければ彼は男優賞に輝いていたでしょう」と本映画祭の上位の賞はダブル受賞できないという規則が無ければフェニックスは男優賞を受賞していたと称賛を贈りました。
フィリップス監督は「映画が完成した時は様々な感情があり、この映画で伝えたいことを観客は理解してくれるのかという不安もあった。ベネチアでのワールドプレミアで、映画祭のオーディエンスは私たちが表現したかったこと、伝えたかった事を理解してくれたと感じました」と不安が自信に変わった本映画祭のプレミア上映後の心情を述懐。「アメリカや世界中でも同じように受け入れてもらえることを期待しています。ホアキンと僕はこの映画を誇りに思っています。私たちはこの映画に誠心誠意努力しました。驚くかもしれませんが、この映画を制作することに対して多くの反対に直面しました。本当に誇りに思います」と完成まで困難な道のりについても振り返り、今回の受賞の喜びがいかに大きいものであるかを語りました。
観客や批評家からは賛辞の声が続出し、ベネチア国際映画祭ディレクター、アルバート・バルベーラが「今年もっとも驚くべき映画。アカデミー賞は確実だ」と絶賛。ベネチア国際映画祭でのプレミアでも今年一番の拍手喝采とブラボーの嵐と共に8分間のスタンディング・オベーションが巻き起こり、話題をさらいました。世界三大映画祭(カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ベネチア国際映画祭)でアメコミ作品が最高賞を受賞するのは、初の快挙となり、映画史を大きく塗り替える受賞となっています。
『ジョーカー』
10月4日(金) 全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
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