「もしも自分以外にザ・ビートルズを知らない世界になってしまっていたとしたら!?」というユニークな設定で、音楽、夢、友情がザ・ビートルズの名曲に彩られ展開していく映画『イエスタデイ』のロンドンプレミアが開催されました。
プレミアには、本人役で出演したエド・シーランのほか、ダニー・ボイル監督、脚本家のリチャード・カーティス、主演のヒメーシュ・パテル、リリー・ジェームズ、ケイト・マッキノンらが参加。ダニー・ボイル、リチャード・カーティスら製作陣らは、「本作の主役はエド・シーランをモデルにして作られた」という貴重なエピソードも明かしました。
脚本のリチャード・カーティスは、「ザ・ビートルズが存在しない世界というのはかなり酷いものだ。素晴らしいものをこの世からなくした後、またそれを戻すというアイデアが素晴らしいことだと感じた」と“ザ・ビートルズが存在しない世界”を描こうと思った理由を明かし、「ダニーはアイデアが豊富なので非常にリラックスできた。エネルギー、想像力溢れる人と一緒に仕事ができて嬉しかったね」とボイル監督との初のタッグを語りました。
ダニー・ボイル監督は「ザ・ビートルズがいかに貴重な存在なのかに気づくことになるんだと思う。彼らの作品がいかに大切なのかということを認識することになるんだ。“なんてことだ! 彼らがいなくなってしまったら、一体どうなるんだ?”ってね。劇中でもその結果、何かがなくなったりするジョークが出てくるんだ」と本作へ手応えをみせ、主役に大抜擢されたヒメーシュ・パテルは、オファーを受けた時の心境を「ダニーがあまりに素晴らしく、気さくな人だから彼がいかにすごい人物なのかということをすぐに忘れてしまうんだ。一緒に仕事をするのに最高の人だよ」と監督の偉大さを明かしました。
リリー・ジェームズは『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』、『ベイビー・ドライバー』と音楽を使った映画の出演が続くことについて、「音楽と映画は私にとってすべてよ! 人生を楽しみ、逃避する方法でもあるの。音楽は別の世界に連れて行ってくれて、それなしでは生きていけないわ」と自身にとって“音楽”と“映画”の存在の大きさを語りました。
もともとエド・シーランは脚本のリチャード・カーティスと友人だったそう。カーティスは「彼は僕の友人で、本作の舞台サフォークに住んでいる。売れなかったミュージシャンがその後、世界で最も成功するというエピソードや彼の恋愛模様についてエドがモデルになっているんだ。だから、エド以外で本人役のキャスティングは考えられないよ」と明かし、ボイル監督は「彼に参加してもらったのは素晴らしかったね。一緒にいて楽しい人で、共に仕事をするのは最高だ。我々とこのプロセスを楽しんでくれる。不平など漏らすことは決してなかったし、素晴らしかったね」とエドを大絶賛。
エドは主人公ジャックが自身がモデルになっていると聞き、「嬉しかったよ! 彼がサフォーク出身だというのが気に入ったんだ。僕をモデルにしてくれたことは光栄だよ」と笑顔をみせ、「かなり以前に、リチャードからこのような題材の映画の脚本を書いていると聞いていた。それからある日、ダニーと共にディナーに招待されたんだけど、そこで色々な質問攻めにあって、なぜそんなに聞かれるのだろうと不思議に思っていたんだよ! それから依頼があったんだ」とオファーがあった経緯を明かしました。今までで一番の大役を演じることについて、「自分自身を演じるのでもっと単純だと思っていたけど、少し違っていたよ。実際のコンサートでも撮影したんだけど、楽しかったよ!」と撮影を振り返っていました。
また、エドと共演したヒメーシュは、「劇中でジャックが弾くギターを選びに行く時、エドはアドバイスをしてくれたよ」「エドが彼自身でいてくれることが僕にとってのアドバイスだった。とても気さくで、あんなに大スターでいながら、それでも尚、高潔でいることが出来るのだと教わったよ」とジャックを演じるうえで、エド本人が参考になったと明かしています。
『イエスタデイ』
10月11日(金)全国ロードショー!
配給:東宝東和
©Universal Pictures