21日にカンヌ国際映画祭でお披露目されたクエンティン・タランティーノ監督最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』ワールドプレミアのリポートが届きました。
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の舞台は1969年のロサンゼルス。ハリウッド黄金時代の最後の瞬間を、タランティーノ製作、脚本、監督で描いた本作は、タランティーノが、実際に自分が育った当時のハリウッド、そしていまや失われてしまったハリウッドを、郷愁とリスペクトを込め、5年の歳月を費やして脚本執筆したとか。
豪華キャストも大きな話題で、『ジャンゴ 繋がれざる者』でタランティーノ監督作初出演となったレオナルド・ディカプリオと、『イングロリアス・バスターズ』で同監督作初主演を果たしたブラッド・ピットの2大スターが初顔合わせを果たしました。
ディカプリオが演じるのは、ハリウッドで俳優として再び栄光を取り戻そうとしているちょっと落ち目のTV俳優リック・ダルトン。長年彼のスタントマンを務めているクリフ・ブースをブラッド・ピットが演じています。ふたりがこの作品でどんな新しい顔を魅せてくれるか期待がよせられています。
また、当時新人女優として人気上り調子だったシャロン・テート役のマーゴット・ロビーが、今回のタランティーノ映画のミューズに選ばれました。さらに50 年以上のキャリアを誇るアカデミー賞俳優アル・パチーノや、ブルース・ダーンらハリウッドの重鎮を筆頭に、ダコタ・ファニング、ジェームズ・マースデン、故ルーク・ペリーら、共演陣にも新旧実力派の選りすぐりの顔ぶれが脇を固めています。
この作品は開催中の第72回カンヌ映画祭のコンペティション部門に正式出品されています。タランティーノ監督は1994年に『パルプ・フィクション』でパルム・ドールを受賞し2004年には同映画祭の審査員長を務めていますが、コンペ部門出品は『イングロリアス・バスターズ』以来10年ぶりで3度目。25年ぶりに再びパルム・ドール受賞なるか大いに注目されています。
そして21日に、ワールドプレミアとなる『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の公式上映で映画本編がついに初お披露目! 公式上映前のカーペットイベントではタランティーノ監督を始め、超豪華キャスト陣が集結。レオ、ブラッド、マーゴットらハリウッドの超スーパースターとタランティーノ監督が歩く圧巻のレッドカーペットとなり、世界各国から集まった報道陣からフラッシュの嵐が起きました。この映画祭で初めて本作を披露するタランティーノは、「本当に興奮している! 上映が待ちきれないよ」と興奮の様子を隠せない様子で「映画はハリウッドの変化を表していて、映画の中ではハリウッドの黄金時代のことを語っている。主役たちはその中に入れず、外から見ていてその変化を予期していなかったから、そこに自分たちの居場所があるのか迷っている」と作品について語りました。
ブラッドは「彼と一緒に仕事をすることはいつも本当に光栄だ。彼はエネルギーに満ちていて、映画を愛する彼と一緒に映画を作ることは喜びなんだ」と笑顔を見せ、「この映画はタランティーノの映画、ハリウッド、L.A.に対するラブレターであり、僕もL.A.が大好きだ」と作品をアピール。
レオは、「最高だったよ、彼は本当に特別な監督なんだ」と振り返り、「こんなタイプの映画は昔はよくあったけど、最近見なくなっているハリウッドの話であって、我々の役はアウトサイダーであって、1969年の変化しつつあるハリウッドにおいて、自分たちの居場所を探している。業界にも世界にもスルーされているんだ。ある俳優とスタントマンが葛藤している。新しい世界で居場所を探している。それを描いているのが、素晴らしき脚本家であり、監督であるクエンティン・タランティーノなんだ。世界一だよ。今日ここにいられるのはとても光栄であり、伝統的な映画作りの最後の監督だよ」とタランティーノ作品でカンヌに来ることができた喜びを明かしました。
初めてタランティーノ作品に出演したマーゴットは、「素晴らしかった! 私の夢がかなったの。今まで経験したことのないセットで仕事ができたし」と、本作に出演を果たすことが出来た喜びを明かしました。
公式上映では、上映前から、タランティーノ監督らレッドカーペットから到着したキャストたちを歓迎する鳴りやまない拍手が観客から盛大に贈られました。上映終了後には約6分間にもおよぶスタンディングオベーションとなり、レオとブラピの眼には涙が光り、タランティーノが観客席で感謝の言葉を述べるという異例の事態となりました。
#NoSpoilersInHollywood pic.twitter.com/d2cZcNfibh
— Once Upon a Time in Hollywood (@OnceInHollywood) 2019年5月20日
タランティーノ監督はこのワールドプレミアの前に、自筆の署名を添えカンヌの観客に対してストーリーを明かさないよう依頼している手紙の画像を本作の米国公式SNSにて公開。現時点で米批評家サイト”Rotten Tomatoes”での批評家の評価は90%、世界最大のオンラインデータベース”IMDb”での評価ポイントは☆9.8と高ポイントを獲得しています。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
8月30日(金) 全国ロードショー
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント