バリー・ジェンキンス監督最新作『ビール・ストリートの恋人たち』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされているレジーナ・キングのインタビュー映像が解禁されました。
この作品でレジーナは、19歳という若さで、幼馴染であり恋人でもあるファニーとの間に子供を授かった主人公ティッシュの母親であり、娘のため、産まれてくる新しい命のため、無実の罪で投獄されたファニーの真実を晴らそうと奔走する優しさと力強い愛に溢れた母親・シャロン役を熱演。若きカップルを見守り応援する、温かい母親としてのまなざしと、彼らを守るために行動を起こす力強さを併せ持った、レジーナの演技を世界中が絶賛しています。
数々の賞レースで助演女優賞にノミネートされ、アカデミー賞最大の前哨戦とも言われるゴールデン・グローブ賞でも見事、助演女優賞を獲得。また、「今後2年間、私がプロデュースする作品では半分を女性にします。あらゆる業界の、決定権を持つ女性たち、共に立ち上がり挑戦しましょう」と語った同賞の授賞式におけるスピーチは世界中から大きな注目を浴びました。
私生活でも、息子との時間を大切にするため、一時期映画を離れドラマシリーズに活躍の場を絞ったというように、芯の強い母親の顔を持つレジーナ。自身が演じたシャロンという女性について「1970年代初めの多くの黒人女性を代表していると思うわ。彼女は私の叔母や母や祖母を思い出させる部分を持ってるの」と役柄と自身のルーツを重ね合わせ、「シャロンはとても強い女性。歌手だったから、高校以降の教育は受けてないと思うわ。歌手として道を切り開こうとしたけど多くの人々と同じようにうまくいかなかった。そして旦那であるジョーゼフと出会ったの。2人は恋に落ち彼は立派な仕事をしてるけど彼女はさまざまな仕事をして家計を助けてるわ。それにお互い愛し合ってる。幸せな家族よ」とシャロンという優しさと力強さに溢れた女性の役柄を独自に分析し、深く掘り下げて演じたことを明かしています。
シャロンを演じるうえで、娘であるティッシュと恋人のファニーについて「愛する人が無実の罪で逮捕され、娘は傷つきつらい経験をしている。ティッシュは若いけど分かってるの、黒人男性は一度刑務所に入ると出てこられない」と娘の気持ちを推し量ったうえで、「シャロンは多くの経験をし、ストレスが母体に悪影響だとも知っている。だから、彼女が持つ強さを全面に出して行動に移し、必死に娘を守ろうとするのよ。シャロンが娘をどれだけ愛し受け入れているのか、何も間違っていないことを娘に伝えているの。命をつなぐためにね」と語っており、新たな生命を宿したまだ幼い娘と、娘の愛する恋人の為、必死に行動する母親シャロンの心を代弁しました。
前作『ムーンライト』でアカデミー賞作品賞を受賞。さらに主人公の母親役ナオミ・ハリスの演技力を引き出し、同賞の助演女優賞ノミネートへと導いたバリー・ジェンキンス監督。彼との仕事についてレジーナは、「どのセリフを小説から直接抜き出すのか、一語一句使うのかを取捨選択する。また、どの場面を長めに広げて展開させるのか、どの場面を映画の中では省くのかを決めていく。彼の脚本と原作を比べるととても似ていて驚かされるわ。面白いことに衣装や髪の毛や化粧について話していると、原作に書かれていたのか脚本だったのか混乱するの。彼の脚本は素晴らしい出来だった。今まで見たことがないわ」とその手腕を絶賛。原作の持ち味を最大限に活かしながら、独自の映像センスと洗練された世界観で紡ぎ出された珠玉の物語に心底惚れ込んでいる様子がうかがえます。
レジーナ・キング/プロフィール
1971年1月15日、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス出身。TV作品でキャリアをスタート。TVシリーズ『アメリカン・クライム』で、2015年と2016年のエミー賞リミテッドシリーズ/テレビムービー部門助演女優賞を受賞。さらに『運命の7秒』で同賞の主演女優賞受賞を果たしている。その他の主な出演作に、『ザ・エージェント』(96)、『エネミー・オブ・アメリカ』(98)、『マイティ・ジョー』(98)、『Ray/レイ』(04)、TVシリーズ『サウスランド』など。
『ビール・ストリートの恋人たち』
2月22日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
配給:ロングライド
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