28日、『シュガー・ラッシュ:オンライン』の来日記者会見が行われ、リッチ・ムーア監督、脚本も手がけたフィル・ジョンストン監督、プロデューサーのクラーク・スペンサーが登壇。日本語版の声優を務めた菜々緒さんも登場しました。
『シュガー・ラッシュ:オンライン』はディズニーが贈る平成最後のお正月大作。前作は人間たちが知らないゲームの裏側の世界が舞台でしたが、今作ではインターネットの世界を舞台にアーケード・ゲームのキャラクターが冒険します。好奇心旺盛なヴァネロペと大親友のラルフがレースゲーム「シュガー・ラッシュ」の危機を救うため2人はゲームからインターネットの世界に飛び出します。そこは何でもありで何でもかなう世界ですが、思わぬ危険も潜んでいて、2人の冒険と友情も最大のピンチに見舞われます。
インターネットならではのアイデアが実現
脚本も手がけたフィル・ジョンストンは主人公たちがゲームからインターネットに飛び出すストーリーにしようと思ったのは、「2作目はもっと世界を大きくしなければという思ったから」とかなり初期の段階から決めていたと語り、「ただ、問題だったのは、こういう形でインターネットを視覚化した作品がなかったこと。どう描くか1年ぐらい考えてしまいました」とインターネットの描き方に苦労したことを告白。
この作品にはディズニープリンセスをはじめとして、さまざまな人気キャラクターが登場していることでも注目されています。プロデューサーのクラーク・スペンサーは「インターネットの良さは何でも出来て、どこにでもいけること。かなり初期の段階で、2人の監督が、例えばラルフにオンラインクイズでアナになりたいか、エルサになりたいかを選ばせたらどうだろう? というアイデアを出してくれたのがきっかけでした。そこで、ヴァネロペだってプリンセスじゃないか……ということに気づき、ディズニープリンセス全員を集結させたらどうだという話になったのです」と振り返りました。
さらに「当初はヴァネロペとプリンセスのシーンはコメディでいいと思っていたのですが、ストーリーテリングのなかの重要な部分となりました。プリンセスたちとのやりとりでヴァネロペの視界が新しいそれまで想像もしなかった世界に開くのです。となれば、マーベル、ピクサー、ルーカス・フィルムのスター・ウォーズのキャラクターも出そうということになりました」と豪華キャラクター登場の秘密を明かしてくれました。
意見が分かれたら友情はどうなる?
インターネットの世界の飛び出したヴァネロペとラルフですが、そこで2人の友情も変化が起きます。リッチー・ムーア監督は「前作のヴァネロペとラルフは子どもが初めて友情と出会ったような段階。本作は、友情以上に、友情に変化がおとずれたらどうなるのか? がより大きなテーマと考えていました。今回の友情は前作に比べてより成熟したもの。ひとつのことで意見が分かれたとき友情は終わるのか? 乗り越えていくことができるのかを掘り下げたいと思ったわけです。その場としてインターネットはぴったりの場所でもありました。そういうわけで、このふたりは試練にあうわけです」と説明。
さらに、フィル・ジョンストンは「この話は私にとってもとてもパーソナルなものです。私は、中西部ウィスコンシンの小さな町に生まれ育って、あるときNYに行くと決めたら、周囲の人々は不思議がっていました。彼らは今もそこに住み、医者とか工場勤務とかそれぞれ違う人生をおくっています。でも僕たちの友情は続いていますし、インターネットですぐにつながれる。違う人生を歩んでいるからこそ、友情はよりよいものになると思う。映画ではアーケード・ゲームはとても小さな世界で、インターネットは大きな都市みたいなもの。ラルフは小さい世界に戻りたい。しかし、ヴァネロペは大きな世界に魅了されている。それは自分の物語に近いものを感じます」と、自分自身の体験を披露。
リッチ・ムーアは「この作品がとてもいいと思うのは、キャラクターの判断を裁くことがない点です。ラルフは小さな世界を愛していて、ヴァネロペは大きな世界を好む。それでいいのです。どちらがいい悪いではありません。ふたりのそれぞれの視点が違うだけで、親友でいられないという理由はありません。これは我々に重要なメッセージだと思います。最近は、相手が自分と同じ考え方でないといい関係は築けないと考える人が増えているような気がします」と、現代社会へのメッセージも込められていることを明かしていました。
イベントには、ヴァネロペがインターネットの世界で新たに出会う新キャラ「シャンク」を演じた菜々緒さんが登場。シャンクは姉御的な性格でヴァネロペがインターネットの世界に飛び込むきっかけを作る役どころなのだそう。そんなシャンクとは異なり、菜々緒さんは自身の性格を「ヴァネロペとラルフの半々、どちらかというとラルフよりの性格」と分析。「チャレンジしたい一方で、今のままでいいやという両方の気持ちがあるので。悪役を演じることが多いのですが、時々プリンセスを演じた方がいいのかな? とも思います。でもそういう役はこないんですが(笑)」と笑いを交えながら語っていました。
『シュガー・ラッシュ:オンライン』
12月21日(金)全国公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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