8日、フレディ・マーキュリーの生き様を描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』の記者会見が行われ、来日中のキャスト3人、ラミ・マレック、グウィリム・リー、ジョー・マッゼロが登壇しました。
東京ミッドタウンコートヤードに設置されたラッピングバスを背景に記者会見は行われ、フレディ役のラミ、ブライアン・メイ役のグウィリム、ジョン・ディーコン役のジョーはサングラスをかけたロックなスタイルで登場。
実在した人物、しかも世界中に大勢のファンがいるクイーンを演じた3人。記者会見では全員が、本人、家族、そしてファンを裏切ってはいけないという大きな責任とプレッシャーを感じながら演じたことを明かしました。
なかでもフレディを演じたラミは、「この役が決まって脚本を読んだ時、22ページ目に“フレディがピアノを逆さまに弾いた”というのがあったんです。これはどうやって演じたらいいのかわかりませんでした」と、脚本もスゴかったエピソードを披露。
続けて、「フレディは何万人もの人を手のひらで扱える、いわば超人でした。そんなフレディをどうやって人間のレベルまでひきずりおろせばいいのか考えたとき、彼は逆に誰かに自分のことを手のひらに包んで欲しい人ではないかと思ったのです。そして、彼の人間的に複雑なところに自分と共通点を見つけたのです。彼はアイデンティティを見つけようとしてもがいていて、移民で、始まりはすごく地味で、18歳の時にロンドンに来た……。彼の両親はフレディにロックスターになることを望んではおらず、医者や弁護士になって欲しかったんです。私の両親はエジプトからアメリカへの移民です。そして、まさか私がフレディ・マーキュリーを演じ、日本でラッピングバスの前で記者会見をするなんて思っていなかったでしょう。それで私が思ったのは、何ごとも可能だということなんです。仕事としては大変かもしれませんが、できるんです。そういう希望を持つことができました」と語り、フレディを演じたことで、「不可能なことはない」という人生訓を得たもよう。
同時にラミはフレディを演じたことで「自由も感じた」とコメント。「『ボヘミアン・ラプソディ』が当初は評論家からはこき下ろされました。これは彼らがいかに時代を先取りしていたかわかると思います。ベートーベンとかガリレオのように。フレディを演じ終わった後、私はものすごく自由になった気持ちになりました。以前は、心地良くないと思ったことでも、「自分らしくできる」と思うようになりました。フレディはステージで、自分がなりたいものになっていたと思います。彼らはなりたいモノ、本当の自分になる自由を与えてくれたと思う。役を演じてこれほど解放的な気持ちになれたことはありません」。
グウィリムも「クイーンの音楽はすべてのものを祝福するエッセンスがあると思います。評論家の言うことは気にしない、他のバンドからどう思われても気にしない。自分たちの才能を信じ、リスクをとることを恐れません。また、ひとつのカテゴリーに縛られることを拒否しています。このキャラクターを演じることで、私自身もなりたいものになっていいという自信をもらいました」と、クイーンの影響を語りました。
ジョン・ディーコンを演じたジョーは「ジョンについて調べているとき、『ボヘミアン・ラプソディ』でジョンがあるダンスをしている映像を見つけて、それを映画でも取り入れているんですが、そのシーンが予告編でも使われたんです。すると、それを見た人がSNSに「ジョンってこんな動きしたことあった?」と書き込んだ。すると瞬時に10人ぐらいの人が「モントリオール、1981」と返信していたんです。その様子を見て、“このために準備したんだよ!”という気持ちになりました」と、努力が報われたエピソードを明かしてくれました。
また、フレディを演じるための役作りで参考にしたものを聞かれたラミは「口ひげをつければ完璧です(笑)と冗談を言った後、準備に1年かけたことを告白。その間、コンサート、ラジオインタビュー、日本のホームビデオなどのあらゆるフッテージをすべてチェックしたそう。さらにフレディの動きがとても自発的で自然発生的になことから、振付師について動きを追いかけるのではなく、モノマネでもなく、ムーブメントのコーチについてフレディとしての動きを研究したことを明かしています。
『ボヘミアン・ラプソディ』
11月9日(金) 全国ロードショー
配給:20世紀フォックス映画
© 2018 Twentieth Century Fox