27日、東京国際映画祭のコンペティション部門に出品された監督作『The White Crow(原題)』の記者会見に登壇しました。
レイフにとっては3作目の監督作となる『The White Crow(原題)』は、伝説的なバレエダンサー、ルドルフ・ヌレエフの半生を描いた作品。レイフは監督だけでなく俳優として出演しており、また、ヌレエフ役は現役のトップダンサー、オレグ・イヴェンコが演じています。
型破りの技術と性格を持つヌレエフのキャリアの開花とソ連からの亡命劇をスリリング描いた『The White Crow(原題)』について、レイフは「ヌレエフのキャラクターを描くために、この作品を作ったと言っていいと思う。若いアーティストが自己実現しようという意志、決意、スピリットに感動しました」と、描きたかったのは、ヌレエフのキャラクターだったと強調。
そのためにいちばん大変だったのは、主人公を演じる俳優を探すことだったとか。「私もプロデューサーのガブリエル・タナもダンサーで演技が出来る人を探そうと思っていました。脚本にはダンスシーンも多いが、ドラマの部分も多く、演技力のある人にとってもよいチャンスになるだろう思いました。ただバレエというのは、子どもの頃からトレーニングをして、身に染みついたものがジェスチャーに現れるものだから、俳優が演じる場合、ダンスシーンはボディダブルが必要になるから時間がかかる。なので、演技ができるダンサーの方がいいと思い、ロシアで大オーディションを行い探したんです」と振り返りました。
そして主役に選ばれたのが現役ダンサーのオルグ・イヴェンコ。
「彼は最後に残った数人のひとりでした。そしてテストをしたとき気づいたんです。オルグは、ヌレエフに身体的に似ている、スクリーンでの演技を理解できる、知的、人の話を聞ける、そしてなによりカメラ写りいい。これは映画スターの資質です。加えていろいろな感情を描けることがわかったので、オルグに決めました」とレイフはオルグの魅力を絶賛。
さらに、オルグが演技ができるのではなく、監督のレイフが演技できるように教育したのでは? と聞かれると、プロデューサーのガブリエラ・タナは「レイフは素晴らしい教師でした。オレグの才能をどんどん引き出すのを見るのはとても刺激的でした。オレグは今、ダンサーより俳優になろうと方向転換を考えているくらいなんです。英語をすごく勉強していて、毎日、クラスをとっています。それほど大きなギフトを彼にレイフは与えたんです」と、レイフが現役ダンサーのオレグの人生をも変えてしまうかもしれないほどの影響を与えたことを明かしていました。