22日、ウェス・アンダーソン監督最新作『犬ヶ島』の舞台挨拶が行われ、アンダーソン監督、ボイスキャストを務めたコーユー・ランキン、ジェフ・ゴールドブラム、が登壇しました。
『犬ヶ島』は、日本を舞台に、“ドッグ病”の大流行によって犬ヶ島に隔離されてしまった愛犬を探す、少年と犬たちとの旅と冒険をストップモーション・アニメーションで描いた作品。2月に行われたベルリン国際映画祭で銀熊賞(最優秀監督賞)を受賞した話題作です。
製作に6年かけたというウェス監督は、13年ぶりの日本の印象を聞かれると、「とても変わったことに驚いています。この6年、私は日本以外のことだけ考えていたんです。製作中に娘が生まれました。今、2歳半なんですが、私がずっとこの作品に関わってきたので、彼女は生まれてからずっとこの作品のシーンを見てきました。今回初めて、娘と妻と一緒に日本に来ました。娘はずっと見続けてきた日本にこれてとても喜んでいます。彼女の異常興奮が私に伝染して、とにかくうれしく思っています」と、来日の喜びを明かしました。
そして、会場に詰めかけた大勢のファンに、日本語を交えたスピーチを披露。
「2012年の頃、ひとつのアイデアが浮かびました。何頭かの犬がゴミの島に置き去りにされて、男の子が犬たちを助けに行くという物語を思い描きました。その時、私、共同に脚本を書いている人々やコラボレーターにひとつの質問を自分に投げかけました。「黒澤さんならどうするだろうか?」。正直いって、努力しましたが答えは出せなかったと思います。でも、この映画は黒澤監督の影響、インスピレーションなしでは作れませんでした」。
続いて、ウェス監督は、舞台挨拶に登場した野村訓市さん、ジェフ・ゴールドブラム、コーユー・ランキン、夏木マリさん、村上虹郎さん、伊藤晃さん、池田エライザさんをはじめとする出演者、スタッフ、そして黒澤明監督、日本の映画監督や俳優、アーティストの方々などひとりひとりの名前をあげ、感謝。
「この物語の舞台は外国人である私が思い描いた、理想郷です。この作品の製作を始めた初日から思い描いたのは、日本に来て、日本の観客に見ていただくことでした。とても楽しみにしていました。つまり今日です。今日は一緒に作っていただいた人々と壇上でみなさんを迎えたことをうれしく思います。どうもありがとうございます」。
さらに、「この作品は長い時間をかけて作りました。すでに他の国でも上映されていますが、私にとっては今日がワールドプレミアです。日本の方々に見ていただきたいし、楽しんで欲しいと思っています。そして一緒に作った仲間とこうして日本の皆さんに挨拶できたことをうれしく思います」と語り、舞台挨拶を締めくくりました。
『犬ヶ島』
5月25日(金)全国公開
配給:20世紀FOX映画
©2018 Twentieth Century Fox Film Corporation