18日、新作『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』のプロモーションのために来日中のソフィア・コッポラ監督が、映画の公開を記念し、長年の親友でもある写真家アンドリュー・ダーハム氏とのトークイベントに登場しました。
ダーハム氏はソフィアが映画監督になった時から、ソフィアに頼まれ撮影現場でのスナップを撮ってきた人物。このたび日本のファンのためだけに、ダーハム氏によるソフィア・コッポラ監督20周年記念したメモリアル・フォトブック『SET PICTURES Behind the Scenes with Sofia Coppola』が2月2日(金)より発売されます。
このフォトブックについてソフィアは「アンドリューは必ずセットにいて写真を撮ってくれているので、見ているといい思い出が蘇る、思い出が詰まった本です」と感想を述べ、「彼のスゴイところは、ちょっとしたことに気づいてカメラに収めるところ。私もそういうディテールにこだわる点で共通点があります。本のなかに『マリー・アントワネット』の写真がありますが、背景の女優がカメラを持っているんです。彼はそこに気づいて撮っている。普通の人は気づかないところを撮るのはすごい。それにみんなにフレンドリーなので、みな心を開くんです。俳優たちもかまえないので、自然な写真を撮ってくれる。そこが素晴らしいと思う」とアンドリューの目の付けどころや人柄を絶賛。
一方、ダーハム氏はソフィアについて「彼女は才能があるフィルムメイカーであると同時に、いつも現場をいい雰囲気にしている。そういう人と友人であるというのはとてもラッキー。彼女はみんながリラックスできるトーンで話すので、スタッフは各自の仕事に集中できる。写真を見た人はみな、ソフィアが居心地よさそうにしていると言いますが、本当にそうなのです。一度ぐらい怒って怒鳴っているところを撮りたいのですが、一度もそういうことがありません。彼女と接しているだけでこちらも落ち着く。そんな人柄でに加えて、彼女は映画作家として独自のビジョンと目を持っている。見ただけでソフィア・コッポラ作品だとわかる。これは今ではめずらしい。妥協もしない。そんな彼女にインスピレーションを受けています」と、身近で見るソフィアの仕事ぶりを明かしました。
また、新作に関して会場にいたファンからソフィアに「映画にする題材を決める決めては?」という質問が投げかけられると、ソフィアは「それは私にとってもミステリーなんで、忘れようとしても忘れられない、時間が経っても頭の中から出ていかないことがあるんです。それを頭の中から取り除くために映画を作るという感じですね」と回答。新作『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』は、初のスリラー作品となっていますが、「ストーリー自体がスリラーでサザンゴシックにジャンル分けされるタイプ。そういうジャンル映画でありながら、自分のスタイルを取り入れることが大きなチャレンジでした。私の目標としてはエンターテイメントでありながらアートフルということ。この2つを両立できたと思う」と語っていました。
『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』
2018年2月23日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開
配給:アスミック・エース STAR CHANNEL MOVIES
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