17日、ソフィア・コッポラ監督最新作『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』のジャパンプレミアが行われ、来日したソフィア・コッポラ監督が登壇しました。
『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』は、昨年のカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したコッポラ監督の長編6作目。これまでのポップでガーリーな世界観を封印し、愛憎劇スリラーに挑戦しています。また、キルスティン・ダンスト、エル・ファニングらに加えて、ニコール・キッドマン、コリン・ファレルらも出演しています。
今までの題材に比べるとスリラー色が強く新境地を切り開いたと言われるこの作品について、ソフィアは「この物語は南北戦争時代のアメリカ南部が舞台なのですが、私はかねがねこの時代に興味があったんです。当時、そこに暮らしていた南部の女性たちにも興味がありました。この作品にも何人が出てきますが、今も繰り広げられている男と女のパワーストラグル、愛憎劇を描いてみたいと思ったのです」とこの題材を選んだ理由を語りました。
また、「この作品は出演者の多くが女優で、男優はひとり。スタッフも女性が多かった。そういう状況で映画を作れたことはうれしいですし、今、女性監督もたくさん活躍している。女性の視点から映画が作られるのもうれしいことです」と語り、女性パワーの台頭を実感している様子。
イベントには草刈民代さんがゲストとして登場。「とても美しく、厳しい映画。あの時代と場所で女性が生きていくため、子供たちを守るために判断することはとてもリアルな気がしました」と映画の感想を述べると、ソフィアは「私自身、登場人物になりきって彼らの考えを想像して脚本を書きました。これまでの作品よりはドラマチックになっていますが、人間というものを忘れてはいけない。自分だったらどうするかを考えながら書きました」と語っていました。
今回は12歳から40代後半まで、幅広い世代の女性たちが登場しています。ソフィアは「それぞれが男性に対してどう反応するか。どういう風に接するのかをその理由を考え書きました。彼らは人生の違うステージにいるので、接し方、感じ方も違う。そして男性もそれぞれに違う一面をみせていくのです。そこがどう関係するのかということを考えました」とリアルなキャラクターを作りあげた秘密も明かしていました。
『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』
2018年2月23日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開
配給:アスミック・エース STAR CHANNEL MOVIES
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