16日、『6才のボクが、大人になるまで。』で数々の賞に輝いたリチャード・リンクレイター監督の最新作『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』が、「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016」のオープニング作品として上映。上映後、監督をよく知るゲストによるスペシャル・トークショーが開催されました!
『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』は、1980年夏、野球推薦で大学に入学することになった主人公ジェイク(ブレイク・ジェナー)の大学入学直前の3日間を描いた青春映画。個性豊かで騒々しいチームメイトたちと、野球、女の子、お気に入りの曲、パーティ、お下劣なジョーク……あらゆることに全力で打ち込むジェイクは、新たな出会いと成長、そして恋を経験。永遠には続かない、しかし決して色褪せることのない青春の輝きを生き生きと描いた作品です。
トークショーに登場したのは、リンクレイター監督を一躍有名にした作品『SLACKER(原題)』のプロデューサーをつとめ、アメリカン・インディペンデント映画界の尊師という異名を持つプロデューサーのジョン・ピアソンと、「サウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)」映画部門のチーフディレクターのジャネット・ピアソン。ふたりはリンクレイター監督と長年の友人でもあるのだそう。
そんなふたりは『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』について「彼の作品のなかでいちばん面白い」と太鼓判。「リチャードは過去25年間に20本近い作品を作っていますが、この作品は彼の集大成と言える作品」なのだとか。
今年のSXSWでプレミア上映された際も、大きな話題となっており、ジャネットは「リチャードはテキサス州オースティン在住で、SXSWはオースティンで毎年行われています。これまでもSXSWで彼の作品を上映していましたが、プレミアは初めて。この作品はオースティンが舞台で、実際にオースティンで撮影されました。それをオースティンの映画館でプレミア上映できたのは光栄なことでした」と振り返りました。
この作品は大学時代アスリートとして活躍していたリンクレイター監督の自伝的要素も含まれているそう。実際の監督についてジョンは「この25年間まったく変わっていません。スポーツマンなので、スポーツの面では負けず嫌い。クリエイターとしては、常に自分に正直で、作品のことしか考えていない人間」とコメント。プロデューサーとしてアドバイスはするかという質問には「よく話し合いはします。もう少し短くした方がいいんじゃないかとか(笑)」と語りました。
リンクレイター監督といえば、『6才のボクが、大人になるまで。』のほか、『ビファア・サンライズ 恋人までの距離』『ビフォア・サンセット』『ビフォア・ミッドナイト』などのヒット作がありながら、インディペンデント・スピリットを持ち続けていることでも知られています。
インディペンデント映画の作り手として必要なことについて話が及ぶと、ジョンは「リチャードほど成功した作品の作り手であっても、映画の資金調達は大変困難。それでも製作者として伝えたい、作りたいと思った作品を最後までやり遂げる力がいちばん大切」と語り、ジャネットは「大切なことは2つ。ひとつは壁にぶち当たることは多いけれど、そこで立ち止まらずアイデアを出してとにかく前に進み続けること。ふたつ目は現実的であること。夢を見ることは大事だけれど、実際に何ができるのか。具体的なアイデアを持つことです」とアドバイスをおくりました。
『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』
今秋、新宿武蔵野館 ニューマントラストシネマ渋谷ほかにてロードショー
配給:ファントム・フィルム
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