13日、映画『メッセージ』の監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が来日し、トークショーに登場しました。
映画『メッセージ』は、巨大な宇宙船の襲来と地球外の知的生命体とのコンタクトというSF王道的な設定と、ヒロインの人生の物語というまったく異なる2つのストーリーを繊細に絡ませた感動のエンタテインメント。今年行われたアカデミー賞で、作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、編集賞、美術賞、録音賞、音響編集賞の8部門にノミネートされ、音響編集賞を受賞しています。
トークショーには関根麻里さんも登場。「SF映画ということしか知らない状態で拝見したのですがニューマンドラマに引き込まれました。”私にも1歳の娘がいますが、主人公ルイーズの母親としての決断が衝撃で、胸を打たれました」と感動を受けた様子でした。
この日、会場には映画監督、役者を目指す学生たちがきており、ヴィルヌーヴ監督へのQ&Aも行われました。SFと人間ドラマを結びつるのは難しくなかったですか? という質問にヴィルヌーヴ監督は「SFが大好きで、SF映画を作るのは30年来の夢でした。だからそれだけの作品とめぐり合う必要がありました。原作の『あなたの人生の物語』はSFというカテゴリーでありながら、人間ドラマだったので映画化しようと思ったのです。文化、コミュニケーション、言語の持つ力というトピックに惹かれました。兵器やテクノロジーが中心のSFとは違ったからです」と、まず原作に魅了されたことを明かしました。
また、エイリアンの造型について、原作に足が7本と書いてあったので、足が7本のこれまで誰もみたことがないようなものを作ろうとワクワクして始めたものの、「悪夢のような大変な作業」だったと語っていました。
『メッセージ』のほかにも『ブレードランナー 2049』も手がけたヴィルヌーヴ監督。映画を作るときのプレッシャーについて聞かれると「撮影のとき、パニックになることもあるし、不安感と戦いながら現場にいることが多いですよ。逆に映画の準備期間は夢を見るような時間なので大好きです。撮影が始まるとあっという間。準備は万端にしておかないいけないから、プリ・プロダクションを好きになるといいと思う」とアドバイス。
今年、日本公開の『ブレードランナー2049』については「今は何もいえないんですが、私にとって最も大きな野心作です。みなさんにお見せできるのが楽しみです」と語っていました。
『メッセージ』
5月19日(金) 全国ロードショー
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント